就活のタイミングではなかなか具体的なイメージを持つことができない「転勤族」。人によっては、就活の軸に、「東京で働けること」「転勤がないこと」「海外で働けること」など、勤務地についてのこだわりを持つ人もいれば、勤務地はどこでもよくて、やりたいことや給料などをベースに就活をしている人もいると思います。
私は勤務地へのこだわりは特に持たずに、むしろ海外行けるなら行きたい!という気持ちで就活をしていました。実際今の仕事は転勤がつきものとなっており、いわゆる「転勤族」(銀行マン程ではないですが)です。転勤族サラリーマンの本音を今回記事にしますので、就活生は是非参考にしてもらえればと思います。
どちらかというと、転勤族のマイナスな部分を書いておりますので、そのリアルを知った上で、自分の考えを整理していただければ幸いです。
人生設計の難しさ
「転勤族」といっても、色々なパターンがあります。まずはそれをきちんと理解しましょう。
- あらゆる地を数年ペースで転々とするパターン(含む海外)
例)東京⇒名古屋⇒札幌⇒東京⇒アメリカ⇒⇒⇒ - あらゆる地を数年ペースで転々とするパターン(国内のみ)
- ベースとなる拠点があるパターン
例)東京(5年)⇒大阪(3年)⇒東京(5年)⇒ドイツ(3年)⇒東京(定年まで) - ある程度エリアが絞られた中で転々とするパターン
例)東京⇒水戸⇒横浜⇒東京(関東縛り)
パターン次第で人生設計が変わってきます。個人的には、ベースとなる拠点があるパターンはもはや転勤族とは言わないかなとも思います。例えば商社マンは海外駐在は複数回ありますが、国内ではほとんど東京勤務しかない場合が多く、意外と負担は無いかもしれません。
拠点があるというのは、家族のこと(特に子供)のことを考えた時とても大切な観点です。僕自身小学生の時にオランダに3年住んでいましたが、小学校6年生の時にはまた地元に戻ってきて、日本の友達と一緒に卒業し、一緒に中学校に進学しました。拠点があると、「地元」というコミュニティをもつことが出来ますが、海外に駐在した後に住む場所が縁もゆかりもない地だとそうはいきません。海外駐在の後に、「帰ってくる」のか「また転勤する」のかは大きな違いですので、きちんと認識しておきましょう。
エリアが絞られた中で転勤するパターンもある程度人生設計が立てやすいです。仕事によっては、「最終的には福岡で働きたい」など、エリアをどんどん絞っていく転勤の仕方もあります。親の介護などを考えた時、このような転勤のパターンは重要になってきます。
就活の時にはリアルなイメージを持つことは難しいと思いますが、「配偶者や子供」+「両親」この2つを考えた時に、譲れない働き方があるのかどうか、きちんと考えておくとよいと思います。
”単身赴任”というリスク
子供が中学生くらいになってくると、転勤の度に一緒についていくかどうかが難しくなってきます。ですので、将来単身赴任をするかもしれないという現実はきちんと受け止めましょう。子供の成長を常に近くで見ることができるかできないか。親としてとても大切なことだと思います。
人によっては、50歳くらいで単身赴任生活を謳歌している人もいます。会社のお金で月に一度は家族に会えたりもしますし、テレビ電話もできる世の中ですので、考え方次第では仕事優先で家族と離れて暮らすというのも選択肢の一つです。
海外駐在のメリット・デメリット
海外駐在に関して言えば、積極的に家族も連れていくべきだと思っています。旅行ではなく海外で暮らすことでしか味わえない面白さや、感じ取れない感覚、学びを子供に与えることができるのが海外駐在の素晴らしい所です。海外駐在では、危険地手当などで給料が倍くらいになりますので、現地での貴重な旅行や体験にお金をかけていくことをお勧めします。
たくさんお金を使ったとしても、3年も海外に駐在していればお金はたくさんたまります。よく聞くのは、海外駐在中は日本にいた時の給料がそのまま全部貯金に回せるため、帰ってくると日本時の年収×駐在年数の貯金ががっぽり貯まっっているみたいです。海外駐在後にマイホームを建てる人が多いですね。
一方で、駐在する国によっては家族を連れていくことができない国もあるでしょう。一概に海外駐在といっても、アメリカやヨーロッパなどの住みやすい国だけなのか、南米やアフリカなど発展途上国も含めた海外駐在なのかは確認しといた方がよいでしょう。
☞合わせて読みたい:【体験談】海外駐在・海外赴任|家族と行くか、単身赴任か
若い時にどこで働きたいか
ここまでは家族にまつわる人生設計などについて書いてきましたが、今一度考えてほしいのは、「若い時にどこで働きたいか」です。
私の会社で1年目で辞めた同期は、「いざ仙台で暮らしてみたら、周りに友達もいなく、東京で毎週遊んでいる大学の友人をSNSで見ていたら、一番楽しい若い時期に東京にいないことに焦りを感じた。」と言っていました。もう一人の同期は、地方工場の総務に配属され、田舎暮らしに嫌気がさして辞めていきました。
田舎でむしろゆっくり暮らしたい、特にこだわりがない、という人は良いのですが、特に学生時代に都会で暮らしてきた人はこのジレンマに陥りやすいので気を付けましょう。
いわゆる「配属ガチャ」がある会社には注意が必要です。勝手に自分の理想の地で働いているイメージを持ってしまいがちですが、その裏にはリスクもあることを忘れてはいけません。
働いてみないと分からない
なぜ今回この記事を書いたか。それは、これまで書いてきたような悩みは働いてみるまで全く分からないからです。転勤族になることは分かっていても、実際のリアルなイメージを持つことができず、自分の中で「勤務地よりも仕事内容、給料、やりがいでしょ」と正当化して就活を進めてしまう人が多いと思います。
いざ第一志望の会社に就職したにもかかわらず、結局「転勤ばかりに耐えられない」「田舎で働きたくない」といった理由で仕事を変えるのはもったいないです。
転勤があるか、勤務地がどこになるか、をどれほど重要視するかは自分次第です。全く重要視していない人もいるはずです。私が言いたいのは、「きちんと向き合わずにほかの要素だけで会社選びをしないでほしい」と言うことです。自分が納得いくまで考え抜いたうえで判断してほしいなと思います。
最悪、転職できる
ただ、社会の動向どころか自分の将来すら不確実な世の中であらゆる要素を考えていたら、ベストの選択肢が見当たらなくなってしまうと思います。今のご時世、転職は簡単にできますので、転職をすることで簡単に働き方を変えることができるというのは、頭の片隅に入れておきましょう。
いずれにしても、現時点では自分として納得ができる会社選びをしてもらえればと思います。後悔先に立たず、ではありますが、できるかぎり後悔をしないで済むような選択をしてもらえれば幸いです。
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