海外赴任が決まると、準備・確認すべきことがたくさんありすぎてパニックになってしまうと思います。この記事では、幼少期に海外駐在を経験した筆者が、自分の父親にインタビューしまして、当時準備・確認が必要だったことを10個リストアップしました。
この記事を読み終わったとき、読者が以下のような状態になっていることを目指します。
- 海外赴任前に準備・確認すべきことの全体像が把握できている
- 頭が整理され、やるべきことが明確化されている
- タスクのアウトラインが分かり、精神的に落ち着くことができる
- 余計な損や嫌な思いをする可能性を最小限にできている
1つ1つの項目に対しどのようなタスクがあるのかを今回は詳しくは述べません。まずはどういった項目を準備・確認しなければいけないのかという大枠を知り、限られた時間で慌てずに行動するための準備を進めて頂ければと思います。
海外赴任前に確認・準備するべきこと10選
- 住む場所の選定
- 日本の家をどうするか
- 就労ビザの取得
- 子供の学校
- 現地の公用語
- 医療制度や保険制度の調査
- 運転免許入手要否
- 日本特有の生活必需品の現地入手可否
- 日本の電化製品の使用方法
- 生活習慣の違い
まずは上記10個について準備・確認する必要があることを知りましょう。これより1つ1つの項目についてより具体的にお話ししますので、各項目でどのようなことをしなければいけないのか、具体的なイメージを持って頂ければと思います。
住む場所の選定
海外赴任が多い企業では、会社が住む場所を全て決めて選択の自由度がほとんど無い場合もあります。一方、住む場所を自身で決めなければいけない場合、以下の項目の何を優先すべきか考える必要があります。
- 通勤の便
- 子供の学校の便
- 家族の生活の便
加えて、家の選定も日本の習慣と違うところが多いため、何に拘り、何を諦めるのかを整理しましょう。
- 一戸建て/アパート
- バスタブ有/無
- 駐車場
- 土足可/不可
- 家具、食器の有/無
- 照明(日本に比べ暗い)
衣食住に大きく関わる住む場所・家については、細かい所までイメージして納得のいく決断をするようにしてください。
日本の家をどうするか
赴任中に日本の家をどうするかというのは、なかなか面倒くさい問題ですので早めに手をつけておきましょう。借家なら問題ありませんが、持ち家だと結構面倒くさいです。空き家で放置すると家が傷んでしまいますし、他人に貸してもいいですが、いずれ自分たちが戻るとなると抵抗があるかもしれません。
ご自身の親戚等に住んでもらうことが対策としては一番良いかもしれません。二世帯住宅である場合は、定期的に掃除をしてもらっていれば、奇麗なまま家を残すことができます。
また、会社が借上社宅として運用してくれる場合もありますので、ご自身の会社の制度を確認しましょう。
持ち家でそのままにする場合以外は、家具や大型家電をどうするのかが非常に面倒です。すべてを赴任先に持っていくのはまず不可能ですので、処分するか、倉庫に預けるか、実家に送るか、方法を決めましょう。
就労ビザの取得
赴任先の国によって事情は異なりますが、基本的に就労ビザの取得が必要です。たいていの場合は必要な書類を揃えて、大使館で手続きをします。まずは必要書類を確認し、入手に時間がかかるものが何なのかリストアップをしておきましょう。
国によっては入国後現地で取得する場合もありますが、必要な書類は事前に日本で用意するということは同じです。
海外で仕事をする必然性を証明するのが就労ビザですので、大学の卒業証明書も必要となります。基本的にすべての書類は日本語ですので、外務省で内容証明のようなものをもらう必要もあります。
子供の学校
お子さんがいる場合は、学校をどうするか考える必要があります。海外赴任の場合、一般的には以下の選択肢があります。
- 日本人学校
- インターナショナルスクール
- 現地校
お子さんの年齢、性格、現地の治安や学校の規模感、そしてご両親の教育方針から、最適な判断ができるように情報収集を行いましょう。子供の将来にも大きく影響を及ぼす決断となりますので、現地に既に駐在している人や、ネットの情報、場合によっては学校へ問い合わせるなどして入念な調査を行いましょう。
現地の公用語
基本的に英語が通じる地域なのかどうか、母国語は何なのか、事前に調査し、必要に応じて最低限の勉強をしておくと良いでしょう。
言語は1,2カ月でどうにかなる問題ではありませんが、現地の言葉で最低限の挨拶を言えるようになっているだけで、現地でのコミュニケーションがスムーズになりますし、道路標識や電車の電光表示など、ある程度は読めなければ不便です。
赴任先の母国語に関する簡単な本を一冊買い、常にカバンに入れておくと大変便利です。その手の本には、生活するうえで必要な単語や表現が分かりやすくまとまっているため、様々な場面で役に立ちます。
短期間で英会話力を向上させる必要がある場合は、何かしらのコンテンツで準備しましょう。ある程度の基礎知識が既にある場合は、3カ月ほどの英会話学習で会話力は大きく向上するはずです。
医療制度や保険制度の調査
赴任する国によって医療制度や保険制度は大きく異なるため、入念に調べる必要があります。分からない点は大使館へ問い合わせるようにしましょう。
何かが起きた時に、とんでもない出費が必要になる危険もあります。定期健康診断のようなものも、日本くらいにしかない制度です。
特に持病や日常的に服用している薬がある方は、まずは日本のかかりつけ医に、どのような対応方法をとればよいか相談するようにして下さい。
運転免許入手要否
日本の運転免許でそのまま現地の運転免許が入手できるかどうかは、国によって異なります。最悪取り直すことが必要になるケースもあるので、事前に確認しましょう。
国によってはお抱えの運転手が付くのが当たり前で、自身で車を運転することはできない場合もあります。
あるいは、車が無いと生活ができない地域もありますので、家族で車を複数台持つ必要があるのか、その手配はいつまでに必要なのか、といったことも念頭に準備を進めましょう。
日本特有の生活必需品の現地入手可否
食材はもちろんですが、衣料品、化粧品、下着、食器、日用品、書籍等々の入手が可能なのか、可能である場合どのように入手するのか、事前に確認しましょう。
特に小さいお子さんがいる場合は、食事の準備や、ゲーム・漫画などの入手方法は重要です。炊飯器とお米、レトルトカレーなどが最低限あれば、赴任直後はとても便利です。
また、日本に住んでいる親戚から定期的に宅急便でモノを送ってもらうというケースも多いです。日本食やお菓子、漫画などは現地で入手するにも時間とお金が多くかかってしまう場合もありますので、船便や航空便の使用も考えてみて下さい。
今はインターネット回線さえあればNetFlixなどの動画配信サービスで日本のアニメやドラマ、映画を見ることができますので、接続環境の確認も事前にしておきましょう。
日本の電化製品の使用方法
国によっては、日本の電化製品を使うために変圧器や変換プラグが必要になります。現地での入手よりも、日本で入手した方が確実に便利ですので、赴任前に準備しておきましょう。
ちなみに、海外で日本の電化製品を使うためには、必要な条件が2つあります。
- コンセントの形状があっている
- 電圧が対応している
この条件をクリアするために必要なものは以下の2つです。
- コンセントの形状:変換プラグ
- 電圧対応:変圧器
変圧器は不要で、変換プラグだけあれば問題ないという場合も実際には多いです。赴任先には何が必要なのか、事前に確認するようにして下さい。
生活習慣の違い
特にお子さんがいる場合は生活習慣の違いを確認し、事前に準備が可能なものについては対策を取っておきましょう。考えられる生活習慣の違いについて列挙します。
- お店でのレジの使い方
- 有料トイレ/有料水
- 電車/バスの乗り方
- 列の並び方
- 交通ルール(車の一時停止/優先、ロータリーなど)
- チップ
- 時間に対する意識
- スリ
現地の生活習慣に慣れていくということは、海外赴任の醍醐味のひとつでもあります。生活習慣の違いを楽しみながらも、不要に嫌な思いや損をしないように、事前に現地の生活習慣などがまとまっている本を一冊買って、赴任までにのんびり読んでおきましょう。
全体像を把握したら、具体的なタスクを洗い出してみよう
以上が、海外赴任前に準備・確認すべきこと10選です。まずは全体像を把握し、焦ることなく順序だてて準備を開始できればOKです。初めての海外赴任は誰にとっても不安ばかりであり、慌ててしまうとは思いますが、どんな方もきちんと前もって準備をすれば、バタバタすることなく引っ越しが完了し、仕事に集中できるはずです。
分からないことがあるのは当然ですので、会社の先輩や身の回りの友達など、海外赴任経験者へ気軽に相談しながら、遠足前のような気持でワクワクしながら準備を進めて頂ければ幸いです。
皆様の海外赴任が素敵でかけがいのないものになりますように。
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