- 英語学習への意欲はあるものの、しっくりくる勉強方法が見つからない方。
- 毎日まとまった時間は取れないけれど、コツコツ長期的に勉強したい方。
- ”関係代名詞の非制限用法”など文法用語を見ると嫌気がさしてしまう方。
上記のような方たちに、自信をもっておすすめしたいのが、「NHKラジオ英会話」です。私自身、ラジオ英会話で英語を学ぶ面白さを改めて知ることができ、大変お世話になりました。
幅広いレベルの方が、英語の本質の頭の動かし方を身に着け、楽しく・コツコツと英語を学んでいくことができる「NHKラジオ英会話」を、今回詳しくご紹介します。
ここで私の英語能力についてご説明。
- TOEICベストスコア885点(単語帳を事前に一冊まんべんなく学習、TOEIC対策は無し)
- 小学校の頃3年間オランダ在住経験あり。日本人学校に通学。
- 小さい頃から英語は得意(小学6で英検準二級合格レベル)
- 特に勉強せずに受験するとTOEICスコアは730点くらい。
- 英語はペラペラではないが、英語が得意と公言できるくらいの実力。
そんな英語力の私が、もっと早く出会えていたら良かったと強く思うのが「NHKラジオ英会話」です。
「TOEICの点数に直接影響が出る」というよりは「英語を本質的に理解できるようになる」「英語への接し方が変わる」「英語を話す時の頭の動かし方が変わる」といった効果が見込まれる学習方法です。
TOEICの点数などに結果が現れるのは、上記の効果を感じてからだと思いますので、今すぐTOEICの点数を上げたい!!という方には最適な学習方法ではないかもしれませんが、中長期的に考えると、非常に効果的かつ継続性のある大変おすすめな学習方法です。
NHKゴガクアプリをご存じですか?
意外と知られていませんが、NHKは語学学習をサポートするための講座を無料オンデマンド配信するアプリサービスを行っています。その中に、英語のラジオ番組もたくさん含まれています。
NHKゴガク:https://www2.nhk.or.jp/gogaku/english/kaiwa/
NHKの英語ラジオには様々なレベルの講座が用意されており、小学生~ビジネス英語までをカバーしています。中には、単語マスター専用の「ボキャブライダー」や、瞬発的な英会話力を育てる「英会話タイムトライアル」など、工夫を凝らした講座も多数ラインナップされています。
冒頭からおすすめしている「NHKラジオ英会話」(アプリ内では「ラジオ英会話」と表示)も、NHKの英語ラジオ番組のうちの一つです。「ハートでつかめ!英語の極意」という熱いサブタイトルとなっています。
「ラジオ英会話」のレベル
中学校までの基本的な英語の学習を終えた高校生や改めて英語を学んで話せるようになりたいと考えている方々向けの講座となっています。
実際には、様々なレベルの方が聞く価値のある内容だと個人的には思っています。
- これから高校に入学し英語を学び始める方
- ある程度のレベル(TOEIC730点程度)に達した後、小手先の知識をより実践的なスキルへ変えていきたい方
- 「英語を読み、聴きとること」から「英語を話すこと」へ重心を移したい方
高校生が初めから「ラジオ英会話」で英語を学習することも十分素晴らしいとは思いますが、それ以上に英語を学び直そうと思っている方に取り組んでほしいような内容です。
「ラジオ英会話」をおすすめする3つの理由
大西泰斗先生が贈る、「話すため」の英文法
ラジオ英会話では、大西泰斗(ひろと)先生が、愉快なおじさんであるクリスさんと、キュートな女性のローザさんと絶妙な掛け合いをしながら、楽しく英語を教えてくれます。
この大西先生の英語学習への考え方が素晴らしく、「話す英語」へと導いてくれます。
大西先生は、英語を話すためには、ネイティブの意識が必要だとよく言います。彼らが単語を使う時、文を作る時どういった意識でそれを行っているのか、その時の頭の動きを教えてくれるため、彼らと同じ頭の使い方で英語を使いこなせるようになってきます。
英語を話すという目的のために、大西先生の教えには一般的な教え方とは異なるいくつかの特徴があります。
- 文法用語は極力使わない
- 英語は「配置のことば」。文を作るための簡単な原則を解説する
- 文の形すべてに「こういう気持ちでこの文は作られているんだよ」という意識を通わせる
- あらゆる表現の意識・ニュアンスまで踏み込んだ解説をほどこす
今まで文法用語と共に形として覚えてきた多くのものが、大西先生の説明によって姿を変え、すっと納得のいく形で身についていくのが実感できるはずです。
英語学習の習慣作りができる
ラジオ英会話は、1回15分、月~木はテキストに沿って講義が行われ、金曜日は必ずその週の復習回となります。1日15分だけ確保できれば良いので、無理なく継続することができます。私は毎日の出勤時間に電車でラジオ英会話を聴き、帰宅時は他の講座を2つ程度聞くようにしていました。
また、大西先生がいかに手を込んで講義の構成を練っているのかがよくわかるのですが、ラジオ英会話は積み上げ式のつくりとなっており、その週の前半に習った表現が少し形を変えて週の後半に復習できるようにこっそり登場してきたり、大切な英語のルールは隔週必ずどこかで触れられたりと、継続して取り組めば取り組むほど実力がつく仕組みになっています。
あ、これまた聞いた!今回はこれ分かるぞ!と、自分でも成果を体感しながら学び進めることができるため、モチベーションも続きやすいと思います。
クリスさんやローザさんとの絶妙なやり取りは聞いていて飽きないですし、アメリカの文化や考え方にも触れながらそのような表現が取られる理由を解説してくれるため、目から鱗の内容ばかりで、毎日楽しみに聞いていられます。
テキストを用いても勉強できる
ラジオ英会話は、もちろん耳で聞くだけでも実力はついていきますが、より学んだことを定着させたい人向けに月ごとにテキストも販売されています。テキストは有料になってしまいますが、電子版もあり、こちらもおすすめです。
私は最初の二カ月はテキストも購入し、自宅で再生を停止したり繰り返したりしながら毎日30分くらいかけて学習していたのですが、それでは継続できないと感じ、三カ月目からは耳で15分聞くだけにしました。自分に合った学習の仕方を選択すればよいと思います。
また、大西泰斗先生は、「一億人の英文法」という、文法書を出版されています。ラジオ英会話と直接結びついてはいないのですが、ラジオ英会話で説明している内容は全てこの一冊に凝縮されていますので、読み物のつもりで、頭からおわりまで全て読んでみることをお勧めします。
イラストやセリフを用いて直感的に理解できるようになっており、日本の文法書界に風穴を開けるような、エキサイティングな一冊です。
具体例~目から鱗な大西泰斗先生の教え~
タメになる教えは無数にあるのですが、読者の皆さんにラジオ英会話のイメージを掴んでいただくために、その中から具体例を2つリストアップしました。
①助動詞は心の動きを表す
助動詞は話し手の心理をあらわす文の要素であり、イメージレベルで覚える必要があると大西泰斗先生は説明しています。講義の中でも、表現で使われている助動詞に関してはどんなに基本的なものであっても、その助動詞がもつ根本のイメージを学ぶことができ、大変勉強になります。
「will」は「見通す」
自信をもってそうなりますよ、と言いたいときに使うのがwill。次の2つの例文の違いはなんでしょうか。
- It will rain tomorrow.
- It is going to rain soon.
この2つの文には、明確なイメージの違いがあります。「will」のイメージは「見通す」ですので、見通しさえあれば、現在の天候は関係なく使用することができます。一方 「be going to」 を使用した場合、「現在空はすでに雲に覆われている」イメージです。「事態はto 以下(=雨が降る)に向けてすでに走り出している」というのが be going toのイメージですので、2つの文は似たような文ではありますが、2つの助動詞のもつイメージが異なることを理解しなければいけません。
「must」はあらがい難い「高い圧力」
皆さんご存じの通り、「must」には①「~しなければならない」と②「~にちがいない」という2つの意味があります。これも、「must」のもつ「あらがい難い高い圧力」のイメージから理解することができます
- 行為への圧力なら「義務(~しなければならない)」
- 結論への圧力なら「強い確信(~にちがいない)」
ネイティブと同じような心の動きで助動詞を使いこなすことができるように、非常に丁寧な説明を何度もしてくれるのが大西先生です。
形式主語なんて言葉は必要ない!説明ルール:説明は後ろに置く
形式主語(it + to不定詞)は高校の授業で皆さん習ったと思います。itは形式的な主語であり、その内容はto以下が説明しているというものです。「to以下することは・・・だ」とto以下の後ろから訳してくように習っているのではないでしょうか。
大西先生は、英語は「配置のことば」だとしきりに説明します。「形式主語」なんていう文法用語は不要です。
- 説明ルール:説明は後ろに置く
- itは「足りない」単語である
この2つを理解し、あとはネイティブと同じ頭の使い方をすれば良いだけです。例えば以下の例文を考えてみます。
- It is difficult to get up in the morning.
これは、心に受けた状況をitで受けて、まず it is difficult(難しんだよね~)と文を始めています。もちろん、それでは「足りない」ので、to不定詞を用いて追いかけて説明しているのです。主語の大きな頭でっかちな文は特に会話では好まれませんので、
- To get up in the morning is difficult.
なんて文は不自然な文章となります。
以上のように、形式主語と説明される文の形は、説明ルールに従い it を用いることで「先送り」することで文の形を整えているのです。
「NHKラジオ英会話」で検索して、まずは始めてみよう
ここまで説明してきましたが、少しでも興味のある人はまずは始めてみましょう!1日たった15分ですし、テキストを買わない分には無料です。もしかすると、ラジオ英会話以外に、自分が良いと思える講座に出会えるかもしれません。
より上のレベルを目指す方には、「ラジオビジネス英語」や「ニュースで英語術」もおすすめです。ぜひ聞いてみてください。
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