以下の質問のうち1つでも正しく答えられない営業マンは是非この記事を最後まで読んでほしい。
- 営業担当者の真の役割を理解しているか?
- 表敬訪問をとりあえず実施していないか?
- 担当職、管理職、経営職それぞれで関心領域が異なることを把握しているか?
- 上層部面談で話すべき内容を適切に理解しているか?
最後の問いに対する答えは「上層部面談では会社の理念やビジョンを話せ」である。
☞現役営業マン|開発キーマン設計部長へ自社の経営理念、ビジョンをぶつけてみた
筆者は、現在メーカー営業職として働いており、コロナ禍における2022年度に「上層部面談」を多く実施することで案件を大きく推進させ、社内でも評価を得ることができた。
私が実際に「上層部面談」を行う中で感じた手応えやコツも踏まえながら、「上層部面談」で話すべき内容について紹介する。
営業担当者は役者(上層部)を揃えて舞台を用意することが役割
営業マンの1番の役割はなんだろうか。
自社の製品やサービスを提案して、実際に購買してもらいその対価を回収する。
そういった営業活動をすることが営業マンの役割であることは確かであるが、そんなことは世間の営業マンは皆実行している。
では、一味違う優秀な営業マンはどのような役割を担うのか。
それは、台本作家となりその時々の案件に必要な役者(上層部)を揃えて舞台を用意することである。
上層部面談に適したタイミングは以下のようなケースがあり、効果的に活用していくことで時に大きなビジネス成果に繋げることができる。
- 営業活動が上手く進展せず、状況を打破するためのドライビングフォースが欲しい時
- 営業活動においてターニングポイントを迎えており、上層部への直接的なプレゼンやインプットが必要な時
- 会社対会社での交渉が必要な時
- 上層部の関係強化を行い、パートナーシップをより強固なものにするための定期面談時
営業担当者個人としてできることには限りがあることを理解し、必要に応じて、自社だけでなく相手の会社の上層部も引き出し、役者を揃えて案件を推進していく。
営業担当者の1番重要な仕事はこの点であることをまず強く認識してほしい。
表敬訪問をするな
上層部面談と聞くと、「年始の挨拶」や「着任の挨拶」といった表敬訪問をイメージする人が多いだろう。
もちろん、面談をセッティングする口実として表敬訪問を利用すること自体は良いのだが、本当にただ訪問して、上層部同士で適当な会話をして、30分で終了となるのであれば、正直な話上層部面談を実施する必要はない。
お互いに多忙な上層部の予定を抑えて面談を実施しているのだから、内容の濃い、次のビジネスに繋がるような会話をするべきである。
ただの表敬訪問の場合、上層部面談が終わった直後は達成感に包まれ、社内でもある程度の評価をもらうことができるかもしれない。
しかしながら1ヶ月、2ヶ月、ひいては1年、数年後に振り返った時、ビジネス成果には何も繋がらない全く意味のない活動であったと気付くはずだ。
では、上層部面談では何を話せばよいのだろうか。
階層毎の関心領域を正しく理解しろ
まず、営業マンとして相手の階層毎の関心領域を正しく理解すべきである。
担当職、管理職、経営職はそれぞれ違った視点で物事を考えているため、当然ながら関心領域が全く異なる。
それぞれの立場の人に対して最も刺さる内容は何なのか?をとことん突き詰めて考えることで、相手の心に響くような話ができるはずである。
経営者層であればある程、理念やビジョンといった上位概念の話に興味があり、会社としてどのような姿を目指しているのか、どのようなブランドメッセージを持った会社なのかを理解し、将来長く付き合うべき相手なのかを見定めようとするのだ。
一方で担当者層は、そもそもの製品の性能やコストに興味がある。
会社の存在意義というような大きな目的とそれを達成するための手段というグラデーションで考えた時、よりどちらの方に興味があるのか、それを正しく判断し、効果的なアピールをしていきたい。
上層部面談では経営理念や企業ビジョンを話せ
ここまで順を追って長々と話してきたが、皆さん既に理解頂いているように、上層部面談では会社の経営理念や企業ビジョンなど、会社が目指している大きなゴールに関することを話すようにしたい。
自分の会社は何を目指しているのか、どのようなブランド理念をもって日々製品開発に臨んでいるのか、自分の会社だけの言葉でそれを伝えることで、経営者層には響くのである。
また、自社の話をするだけでなく、相手の会社の理念やビジョンについて、中期経営計画資料やグループレポート、IR資料を読み込むことで深く理解し、相手の会社と自分の会社の親和性を捉えて話すことで、その効果は抜群に向上する。
正直、どこの会社も最終的に目指すことは「持続可能な社会の実現」や「カーボンニュートラルの実現」、「世の中の人々の暮らしを豊かにする」といったところであり、終着点は似たり寄ったりである。
その手段が、各会社のテクノロジーや経験によって異なるだけであるため、両社の親和性を導き出すことは、きちんと考えれば難しいことではない。
その両社のゴールに向かって、各社の存在意義を掛け合わせた時にどのようなシナジーが生まれるのかを自分の言葉で表現し、それを心を込めて相手の上層部にぶつける。
こういった活動は、お互いの会社のパートナーシップを深化し、次の新規案件に繋がったり、長期的な活動協力に繋がっていく。
このような上層部面談を実施することができれば、あなたは希少価値の高い優秀な営業マンに近づくことができる。
ただの表敬訪問ではなく、貴重な機会を活かして両社の根本的な考えまで踏み込んだ会話をすることができる立派な営業マンを目指して、明日から「上層部面談」のセッティングに勤しんでほしい。
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