社会人には常にタイムパフォーマンスがついて回るため、「限られた時間で」「分かりやすく」ものごとを伝えることが非常に重要です。
しかし、その方法を形式立てて教えてもらえる機会はなく、先輩や上司の真似をしながらスキルを高めていくしかない。。
そんな風に思っていませんか?
- 忙しい上司の時間を取って、短い時間で簡潔にホウレンソウを行う
- その日の打ち合わせ内容や商談の結果をメールで簡潔に関係者に共有する
- 分かりやすい報告書を作成し上長に状況を報告する
- 短時間の打ち合わせで、プロジェクトの概要や決めなければいけない事項を説明する
- 客先への大事なプレゼンで、伝えたいことをバシッと伝える
「超・箇条書き」では、上記のような場面で生きる「物事を伝えるスキル」を3つのステージに分けて教えてくれる、社会人1年目に超おすすめの本となっています。
結論、箇条書きができる人は物事をシンプルに伝えることができる人です。そんな社会人になるための必読書である「超・箇条書き」の内容を「簡潔に」お伝えします。
箇条書きとは「読み手や聞き手にとって情報処理の負荷を減らす」こと
皆さんは、どのような目的で箇条書きを使用しますか?
多くの方は、「限られた時間やスペース」で「物事を簡潔に伝えたい」時に箇条書きを使用しているのではないでしょうか。
それはすなわち、「読み手や聞き手にとって情報処理の負荷を減らす」ことを目指さなければいけません。
箇条書きを徹底的に学ぶことは、物事をシンプルに伝える技術を習得することに他なりません。
「超・箇条書き」からは、箇条書きを使う時に限らず、物事を伝える上で非常に有効なスキルを学ぶことができます。
では、どのようにして読み手や聞き手にとって情報処理の負荷を減らしていくことができるのか。その方法を3つのステージで学んでいきましょう。
構造化=レベル感を整える
最初に抑えておくべきポイントは、「状態・現象」を伝える部分と、「行為」を伝える部分とを分けることです。
「自動詞を使った状態・現象を伝えるグループ」と「他動詞を使った行為を伝えるグループ」に分けることが重要です。
本来動詞であったところを名詞にして体言止めにすることは、全体像の理解を妨げます。
このため、「超・箇条書き」では体言止めはご法度です。
例えば、「キャンペーンの実施」とだけ箇条書きで書かれていても、文脈次第では色々な解釈ができてしまいます。
- キャンペーンを実施した
- キャンペーンを実施する
- 今後キャンペーンの実施を検討する
- キャンペーンの実施可否が問題である、懸念である
- キャンペーンの実施というアイデアが出た
本来、箇条書きとはそれを見ただけでシンプルに物事を伝えることが目的ですが、体言止めしてしまうと文脈を確認しなければいけないのです。
また、「直列と並列」で考え、時間軸を整理することも注意しましょう。
全体の構造を考えレベル感を揃えることができたら、ポイントの数を宣言するようにしましょう。
最初にポイントの数を宣言することで、聞き手は「これから伝えられること」を受けとめる引き出しを持つことができます。
この引き出しによって、情報処理が楽になり、相手は伝えられることの全体像をすぐ理解できるようになるのです。
物語化=フックを作る
構造化が完了した次は、伝えたいことにフックを作り、物語化していきます。
まずは、話したいことのイントロダクションを作り相手を引き付けましょう。
ビジネスにおいて論理的にものを考える上でよく「MECE(ミーシー)」というフレームワークを耳にすると思います。
MECE=Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveでして、「漏れなくダブりなく」を表しています。
正確な答えを導き出すために必要な要素を網羅しながらも、それらが重複しないようにする考えるという方法です。
しかし、物語化する上ではあえてMECE崩しをした方が良い時があります。バランスを崩すことで伝えたいことにフックを作るのです。
また、抽象度の高いものはそのまま伝えても生々しくなく、イメージがわかないため、そのような時は具体例を差し込むと良いです。
固有名詞を入れるとより生々しくなり、伝えたいことに抑揚が出るようになります。
聞き手が興味を持ちながら集中して話を聞くことが出来、かつその要点をきちんと理解するためにはどのような工夫が必要なのかを考え抜くこと。
超・箇条書きとは、言葉遊びでも単なる技術でもなく、相手のことをとことん考える作業でもあるのです。
メッセージ化=スタンスを取る
構造を整え、フックを作って物語化が完了したら、最後にメッセージ化していきます。
メッセージ化とは、「スタンスを取る」ということであり、自分の結論・考えをきちんと伝える作業です。
自分の考えを伝えることは当たり前のことではありますが、案外この「スタンスを取る」ということがきちんとできておらず、伝えたいことがぼやけてしまう人が多いのです。
スタンスを取るために、まず隠れ重言を排除しましょう。
隠れ重言とは、文の中で重複は無いが、そのコンテキスト(文脈)を踏まえると繰り返しとなっていて、わざわざ伝える必要がないことを意味しています。
繰り返す意義の無いものを排除することで、心に響くメッセージに生まれ変わっていきます。
具体例として以下のようなキーワードは隠れ重言である可能性が高いので注意しましょう。(全て当たり前のことを言っているだけ!)
- 改善する
- 見直す
- 推進する
- 最適化する
- バランスを取る
- 徹底する
- 強化する
- 実行する
また、否定を効果的に使うことで、スタンスの取れたメッセージを生み出すことができます。
「私は決して売上数量を伸ばすことはしません」といったメッセージです。
そうすることで、「この人は売上数量ではなく利益単価を上げることで収支を改善するんだな」といったより具体的なメッセージを伝えることができます。
結果的に、相手の心に響き、そして相手を動かすことができるようになるのです。
最後にもう1つスタンスを取るためのコツを挙げると、「数字」を使うことです。
「収支を改善します!」よりも「収支を前年対比で10%改善します!」の方がより具体的なスタンスを取ることができていますよね。
数字で示して彩度を上げることで、よりスタンスの取れたメッセージを作っていきましょう。
箇条書きの技術を、仕事の様々な場面で活用しよう
これまで述べた3つのステップを踏むことで、箇条書きから超・箇条書きへステップアップすることができ、これまで以上に読み手や聞き手にとって情報処理の負荷が減った、シンプルな伝え方ができるようになっているはずです。
これまで述べてきたように、超・箇条書きのテクニックは、物事を伝える必要がある様々な場面で活かすことができます。
箇条書きの技術を使って、「何を伝えたいのか」を自分自身のメモとして用意し、仕事に活用してみて下さい。
- プレゼン:メモをもとにスライドを作成する。
- アイデア発想:メモをもとに企画書を作成する。
- 会議:メモをもとに発言する。
どの場面においても、箇条書きをする過程で情報処理がなされているため、整理され、とても理解しやすい状態で物事を伝えることができるはずです。
今回ご説明したのは超・箇条書きのほんの一部分だけです。
この本で学んだことを活かして、重要なポイントを「分かりやすく」伝えたつもりですが、伝えきれていない部分も多くあります。是非、超・箇条書きを実際に読んでみて、より多くのことを学んでみて下さい。
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