帰国子女の経歴を上手く活かして就活を進めたいが、活かし方のアイデアが無い学生はいらっしゃいませんか?
「帰国子女」に焦点を当て、小さいころに海外で暮らしていた経験をどのように伝えアピールするのかについて、私の考えをお伝えします。
筆者の経歴は以下の通りです。
- 小学校3年生~5年生の3年間オランダに住んでいた経験
- 当時は日本人学校へ通学し、現地のサッカーチームに所属
- 現在は大手エネルギー系企業でセールスエンジニアとして勤務
- 現在勤務している企業は第一志望であり、就活では基本的に選考で落ちた経験無し
帰国子女であることの活かし方に悩んでいる学生が、納得感をもって就活の戦略を立てられるようこの記事ではサポートします。
帰国子女であることは隠せ!
まず戦略の大筋は「帰国子女であることは隠せ!」です。それはなぜか、ご説明します。
就活ではガクチカや自己PRについて必ずと言っていいほど質問されると思います。その時の解答例を挙げてみます。
ガクチカ:
取り組んだ理由(環境や心の動き)⇒具体的に何をしたか(数字、期間)⇒つまづいたこと、苦労したこと⇒自分なりの工夫、心境の変化⇒最終的なアウトプット、感じたこと
自己PR:
得意なことはコレです!⇒そう思う理由⇒その長所を活かした体験談⇒最終的なアウトプット(+α 周囲の人間からの評価)
もちろん、これらは一回の回答で演説のようにツラツラと話す必要はなく、うまく面接官の質問を引き出しながら自分の話したいストーリーに持っていけば良いです。
ここで考えてほしいのは、ガクチカにおいても自己PRにおいても面接官が知りたいことは、就活生が「何に対してどのように考え能動的に行動してきたか」であるということです。
部活を頑張りました!ボランティアを頑張りました!留学に行きました!起業しました!など様々ありますが、どれも自分でその行動を選択し、成果をあげたり困難を乗り越えてきたストーリーになるはずです。
そしてそのストーリーに納得感があると、面接官はその就活生の人間としての深みを想像し、社会人になった時、色んな引き出しがありそうだな、こんな場面でも活躍してくれそうだな、と期待し評価してくれるのです。
ここで、「帰国子女であること」を主軸に自己PRを考えてみると、能動的なストーリーが作りづらいことに気づくと思います。
帰国子女であること自体がアピールポイントにはなり得ないのです。
ある意味、帰国子女であることはたまたま手にしたラッキーなステータスであり、それに甘んじた回答をしてしまうと、むしろ中身が薄っぺらい人間、引き出しの少ない人間という印象を持たれてしまいます。
しかし、グローバル化が進み英語力やダイバーシティへの適応性などが求められている昨今は、「帰国子女であること」自体は、企業からしてみると市場価値の高い人材であることは確かです。
アピールポイントにはならないから隠せと言っているのに市場価値は高いって、矛盾してるじゃないかと思ったかもしれませんが、話は矛盾していません。
帰国子女であることの活かし方を考えればよいのです。
自己分析を徹底的に行う
「帰国子女であること」を就活で活用していくうえで、時間をかけて考えるべきことは以下の2つだけです。この2つだけについて、じっくり考えてみて下さい。
- 帰国子女=どういう人間だと企業が一般的に捉えるのか
- 帰国子女であることを通して、どういう人間だとあなたが思われたいのか
先ほどお伝えした通り、帰国子女であること自体は武器になります。
限られた情報の中で学生を選ぶ企業にとって、帰国子女というだけで以下のような人間だと捉えられます。
- 英語能力がある
- コミュニケーションスキルがある
- 多様性を受け入れることが出来る
- 他の学生にはない特別な経験をしていて感性が磨かれている
上記のようなある程度決められた固定概念の中でプラスの評価になるはずです。体育会=根性があるも似たようなケースですね。
しかしながら、体育会であることは大学入学時に体育会の部活を能動的に選択しているため全面的にアピールをしてもよいのですが、帰国子女は違います。
直接的にはアピールしない方がよいのです。
あくまで自分の人間的な深みを表現するためのメインの話(ガクチカや自己PR)は、魂を込めて話せる内容に託せばよいのです。
そこでまずは自己分析を徹底的に行いましょう。
自分の長所は何か、好きなことは何か、没頭できるものは何か、嫌なことは何か、強みは何か、弱みは何か、将来何がしたいのか、なぜ今の生活を送っているのか、とにかく自問自答し、その答えをさらに深堀してみてください。
すると、その中の色々なピースの中に、「帰国子女であること」が絡んでくるはずです。
私の経験上、小さいころに海外に住むことは自分の人生に大きな影響を与え、様々な自分の長所や性格、考え方につながっているはずです。
そのつながりを感じることができたら、あくまで「自分が伝えたいこと」にフォーカスし作戦を練れば良いのです。
「帰国子女であること」を脇役として伝える
要は、ESに書いたり面接で話す内容は、自信をもって魂を込めて話すことができる内容にし、どこかで「帰国子女であること」をチラリと話題に出すことで、あとは面接官に「帰国子女ということは~~こういう人なのかなぁ、帰国子女の話は全然出てこないけどこんなバックグラウンドがあるなんて、この人まだまだ色んな魅力がありそうだなぁ」と勝手に想像してもらいましょう。
例えばですが、ESにTOEIC900点とだけ書いておくと、必ずどこかのタイミングでTOEICの点数について触れられると思います。
その時に、「実は小さいころに海外に住んでいたことがあって、その時に英語への苦手意識を払しょくしたので英語学習へ高い意欲を持っているんです」くらいの回答をさらりとしておくと、英語もできるしもしかすると外国人とのコミュニケーションも積極的にできるのかな?と評価してもらえます。
あとは何か自分の学生時代のエピソードに、海外で暮らした経験(外国人と友達になったこと、異国の環境に順応したこと、孤独を味わったこと、など)が繋がっているのであれば、学生時代のエピソードの脇役として帰国子女であることを伝えるとよいでしょう。
ただしその場合、無理やりエピソードを繋げるのではなく、自分が自信をもって話せる内容でなければなりません。
企業によってはそこの深みは注意深く観察していると思いますし、深堀されたときに薄い回答しかできないのであれば無理しない方が得策です。
海外で暮らした経験を通して、自分の中でどのような変化があり、その変化がその後の自分の考え方や取り組み、そしてその成果に繋がっているということを、無理のない範囲で論理的に説明できるようにしましょう。
自分の人間性の深み、拡がりを伝えることができれば100点です。
最も簡単な方法:TOEICで高いスコアをとる
帰国子女であることを就活で効果的に生かす最も簡単な方法は、「TOEICで高いスコアをとる」ということです。
帰国子女であることを就活の中で自然と登場させ、自分の自己アピールに繋げたり自分の引き出しの多さを表す上では、これが最適解だと思っています。
TOEICの点数で定量的に自分の実力を示すことができますし、ほぼ確実に高いスコアの理由を聞かれるため、帰国子女であることがエピソードとして自然に登場してきます。
私の場合は、ただ帰国子女だから英語が得意では物足りないと思っていたので、少しボリュームをアップして、心の動きと自分の努力が伝わるようにしていました。
- 海外に住んでいた時現地のチームでサッカーをしていて、コミュニケーションのために英語を学ぶ必要があった。(英語の必要性を感じた)
- 日本人学校に通っていたため海外にいただけで英語が得意なわけではない。
- 海外在住中に英語への苦手意識を払しょくできたため、中学・高校と必要性を感じた上で英語学習に意欲的に取り組めた。
- 結果今のスコアがある
TOEICスコアから自分の市場価値自体が高いことを示しつつ、自分の海外でのストーリーを登場させ面接官から質問を引き出すようにしていました。
海外で暮らして良かったこと、楽しかったことを伝えるだけでもOK
海外に住むという貴重な経験に対し、面接官は多少なりとも深堀してくると思います。
しかし、小さいころに海外に住むことは高校や大学での留学とは異なり、何か目的意識をもって行動しているわけではないはずです。
ですので、シンプルに海外で暮らして良かったこと、楽しかったこと、今振り返った時貴重な経験だと思うことを、キラキラと話すことができればそれで十分です。
それだけで、面接官は就活生に対し、「いろんな経験をしてきた素敵な子なんだな」と思ってくれるはずです。
最後にふわっとした話になってしまい恐縮ではありますが、つまるところはいきいきと自信を持った言葉で言い切ることができれば、どんな相手にもきちんと評価してもらえると思います。
就活に悩んでいる帰国子女学生が、今回の記事を読んで少しでも悩みを解決し、自信をもって就活に取り組められるようになったら幸いです。応援しています。
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