【就活】営業|川上、川中、川下で扱う商材の違い

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営業職といっても、扱う商材にはいろいろな種類があります。この記事はこんな方におすすめです。

  • どのような商材を扱う営業職が自分に向いているのか分からない
  • 面接やESで、「御社の商材を扱いたい理由は〇〇です!」と心を込めて話すことができない

そのような悩みがある方向けに、商材の種類を川上・川中・川下の3つに分けてご説明します。

筆者は現在エネルギー系の会社でセールスエンジニアとして働いています。

扱う商材は機能化学品でして、今回の記事で言うところの川中産業となります。社内には、川上や川下の商材を扱っている人もいるので、3種類の商材について、

  • 具体的に扱う商材例
  • 面白さや醍醐味
  • 難しさや苦労
  • 営業マンに求められるもの

以上を詳しくご説明します。

川上、川中、川下産業の商材例

  • 川上
    石油・石炭(エネルギー資源)、ナフサ・エチレン(基礎化学製品)、鉄・銅(金属材料)など
  • 川中
    プラスチック・樹脂・ガラス(化学製品)、ブレーキ・エンジン・バッテリー(自動車部品)など
  • 川下
    自動車・ジュース・カップラーメン・パソコン・アプリ(最終製品・サービス)

例としてこのようなものが挙げられます。構造はピラミッド式になっており、川上から川下へ向けて企業や商材の数も多くなり、多様化していきます。より細かい所で差別化されていくのが川下産業です

面白さや醍醐味

川上:扱う量やインパクトが大きい

川上産業で扱う商材は、基本的に数量が大きく、一度の取引で動くお金も大きいのが特徴です。川上産業はその後のサプライチェーン全てに通じるため、小さな差が大きなインパクトとして現れます。

購買においても、1円/kg の値上げを認めるか認めないかの交渉が、結果として数千万円、時には数億円の影響を及ぼします。近年ではカーボンニュートラルの潮流でCO₂排出量をどれだけ減らすことができるかに各企業は必死になっており、サプライチェーンの川上を担う産業では、そのインパクトも同様に大きくなってきます。

グローバルを相手に大きな取引を経験することができ、インパクトの大きい商談を経験できることが川上産業の営業の面白さです。

川中:技術力と提案力で価値をどう伝えるかが大切

川中産業では、川上の企業から買った原材料を加工し、付加価値を加えて川下産業へ商材を卸していきます。その商材にどれだけの付加価値を加えることができるかで商品は差別化されます。従って、技術力やノウハウの差が商品の価値に直結する産業です。

加えて、その価値を川下産業を担う企業へ正しく伝え、「良いモノ」だと思われなければいけません。川中産業は川上産業よりも企業数が多いためライバルも増え、コストや供給力も踏まえて、価値を認めてもらい、川下産業に自社の商材を選択してもらう必要があります。

川中産業の営業の醍醐味は、この技術的な差別化ポイントを顧客へ伝えること、あるいは顧客がもつ課題に対して、自社の商材を用いた解決方法を提案することにあります。技術に対する知識だけでなく、それを論理的に説明する提案力が問われるのが川中産業です。

川下:最終消費者をイメージすることができる

扱う商材例からも分かるように、川下産業では日常生活で目に見えるような商材を扱います。そのため、その商材を最終的に使用している最終消費者を常にイメージしながら働くことが出来ます。

日常生活の中で自分が手掛ける商材が実際に手に取られていることを見ることもでき、自分の仕事が社会に価値を提供していることを実感することができるのが魅力的です。

また、製品そのものの価値だけでなく、それをどのように世間に発信し、認識してもらうかというブランド戦略を考えることも重要となります。常に市場を意識し、マーケティングをしながら商品を開発・販売していくことが面白さです。

難しさや苦労

川上:差別化が難しい

川上産業で扱う商材は差別化が難しいというのがポイントです。会社対会社の繋がり、時には営業マン個人の人間力なども購買決定において重要になります。

そして何よりも、いかに安く調達し高く売るかということが求められます。安くするためには、一回で取り扱うボリュームを大きくする必要があり、必然的に大きな取引を経験することが出来ますが、営業マンの力量や企業の技術力などで差別化できる領域に限界があることが難しさとなります。

ブレイクスルーを生み出す際も、多額かつ長期的な投資が必要になることが多く、短期的なサイクルでトライ&エラーを繰り返すことが難しいという点も特徴です。

川中:サプライヤーでもありバイヤーでもある

川中産業は、川上産業からモノを購買するバイヤーでもある一方で、それを川下産業へ供給するサプライヤーでもあります。ですので、差別化するために様々なコストをかける必要がある一方で、原材料のコストアップを可能な限り抑えなければいけないというジレンマに陥ります。

一般的には、バイヤーの立ち位置はサプライヤーよりも上であり、バイヤーがサプライヤーを選ぶ権利があります。サプライヤーにとってバイヤーがお客さんということです。

しかし、現在は歴史的な原材料価格の高騰が起きており、川上産業のサプライヤーも強硬な値上げに講じています。場合によっては供給を絶つという強気の覚悟で川中産業へ交渉を申し入れているのです。

川上産業は企業の数が少なくサプライヤーが限られるため結果として立場が強くなり、川下産業はバイヤーとして当然立場が強いため、現在では川中産業が間に挟まれるという構図が浮き彫りになっています。

川下:商材自体の魅力以外の部分で差別化されてしまう

川下産業の醍醐味の部分でも触れましたが、川下産業は最終消費者に自分たちの商材を選んでもらうことが重要となり、ブランド戦略を考える必要があります。

「価値のあるモノ」が売れるのではなく、「価値があると思われているモノ」が売れるのであり、いかに最終消費者に価値を伝えていくかというブランドコミュニケーションが重要です。従って、商材自体の魅力以外の部分で差別化されてしまう余地があります。

川中産業のように、企業に対して営業マンの工夫で商材の価値を伝えていくだけでは不十分であり、不特定のターゲットに対しCMなどを駆使して価値を広げていく必要があるのです。

スーパーでビールをどこに陳列するかを交渉するなど、営業マンの工夫する領域が川上・川中産業とは少し毛色が違うということを理解しましょう。

求められるもの

川上:営業マンとしての信頼・人間力

一度で扱う数量が大きく、差別化も難しい商材を扱う営業マンには、お客さんに信頼される人間力が求められます。古臭いですが、時には会食やゴルフなど、接待などを通して会社間の関係を強固にする活動も求められるはずです。

ひとつひとつの取引の期間が長いため、一度信頼を勝ち取り取引が開始できれば、一定期間収益を確保することが出来ます。会社として信頼されるために、人として信頼され、能力を認められるような人材が求められます。

また、グローバルでの取引も多いため、英語でのコミュニケーションスキルや度胸も重要です。片言の英語しか話せずおどおどしているような営業マンを信頼してくれる企業は少ないはずです。

川中:技術的な知識・情報収集能力

技術的な知識をお客さんよりも豊富に持ち、質問に対して瞬発的に回答できる力が求められます。ですので、自分のバックグラウンドを活かした業界を選択した方が活躍のチャンスがあるかもしれません。

川中産業で営業をするということは、企業の技術職の人を相手に商談を行うことも多くあるため、自社の技術に加え、お客さんやその業界に関する知識も持ち合わせている必要があります。

また、お客さんの課題や将来のニーズを探り新しい商品開発の種を探す活動も営業マンには求められており、情報収集能力に長けた人材も求められます。

常にアンテナを張り、知的好奇心とアグレッシブさを持ち合わせた人は活躍できるはずです。

川下:ブランドコミュニケーション能力

常に市場を意識し、最先端の動向や流行を抑えながら、適切な方法で商材を開発・宣伝・販売していく力が求められます。

川下産業では商品開発から販売、廃止までのサイクルが短いので、常に新しいものをキャッチアップし、新しい商材を次々と生み出していくアイデア力も重要です。

営業マンはモノを売るだけでなく、市場に最も近い位置で情報を集めながら、次のビジネスチャンスを探る必要があります。現在では、SNSを駆使して情報を発信、収集する力も非常に重要になってきています。

☞関連記事:BtoBとBtoCって結局何なの?現役営業マンが自分の言葉で説明します。

最後に

本記事を参考に、自分がどのような商材を扱うことに向いているのか、自分の強みを生かせる業界はどこなのか、自分が最も面白いと思える・モチベーションを高く持てる業界はどこなのか、深堀をして納得のいく答えを見つけてもらえれば幸いです。

いずれにしても営業という職業はいくらでも工夫の余地があります。よく「ペットボトルの水を1万円で売るにはどうしたらよいか?」という問いをSNSなどで目にしますが、考えるべきことはまさしくその通りで、価値を正しく伝えることだけでなく、「価値があるように思わせる」「営業力で価値を生み出す」ことも営業マンの仕事です。

皆さんが楽しい、やりがいのある営業マンとして働かれることを心の底から祈っています。

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